発酵の魔術師。
今年も駆け足で進んだ1年になりそうですが、内容は充実。
先日は、下関水産大学校での魚醤〔ぎょしょう〕の講演会に参加。〔食にまつわる講座は欠かさず参加します〕
これは、『もったいない』精神から生まれた技でもあり、各地方でご当地魚醤が生まれてくるでしょう。〔現時点でも多い〕
下関水産大学校では、鯨魚醤やふく魚醤、うに魚醤とバリエーションが面白いです。
しかし、鯨は哺乳類なので本来魚醤とはいえないのですが判り易くするために表向きのネーミングです。
実際日本では、平安時代にイノシシや鹿の『うるか』や魚醤の文献があったそうで、近い時代では東北地方などで小鳥の『うるか』
を作っていたそうです。〔うるかは、特に鮎のうるかが有名ですで、いわゆる塩辛です〕
塩辛から流れ的に魚醤になるので、日本人古来の知恵は凄いですね。
さて、この魚醤は各動物などの今まで廃棄してきた新鮮な内臓なども加えて発酵させたもの。
昔の製法では、生臭さが残るので下関大学校では、麹をプラスしているそうです。〔生臭さが好きな方もいる〕
あますとこなく使い切ってあげることが、その動物に対しての礼であり感謝であり、これが本当の食育ですね。〔植物も同様〕
僕が、5年前に中学校講座で講演をした名目が『あー、もったいない』を思い出しました。
その時は、もろもろの話のなかで、例えば骨付きから揚げなどを食べたあと、残った骨でスープを取るなどの話をしました。
その時代背景では、ピンとこなかったでしょうね。では、話題のふく魚醤をどうぞ。
薄口醤油のような感じです。下関水産大学校近くの日本海もどうぞ。
見えてる陸地は、九州です。
さて話題を変わり、ある機関から葡萄の活用手段のアイデアを聞かれ、瞬時にこのアイデアが出てきました。
フランスパンのパン床〔糠漬けのパンバージョン〕で、ワインを使った絞りかす〔皮など〕で、パン床を発酵させるという漬物。
本来は、ビールを使用するのですが、葡萄の絞りかすの乳酸菌を利用します。
実際フランスでは、絞りかすにカマベールチーズなどを漬けて利用されています。
今回は、大根をつけてみました。
続いて2週間つけたものを、小皿に。
塩ッ気が欲しかったので、あえて発酵食品のアンチョビと。〔発酵食品同士は合う〕
時間が足らないはずなのに、すぐ反応して作ってしまうこの性格は良し悪しです。
こんなものも試作で作りました。〔店売りで〕
ブリオッシュのマツタケとカマンベールのミルフィーユです。
また、試作途中の『2つ栗』〔万能自家製酵母使用で、下部はスイートポテト〕
栗は、縦置きの方が美しいですね。
次は米の酒種ではなく、麦の酒種です。〔種継ぎは、終了して次回は本捏ねです〕
というのが、今週一週間の試作などです。
以前のホームページで、発酵の魔術師と入れていましたがここまで踏み込んではいなかったです。〔ペテン師に近いかも。笑〕
しかし、日々の積み重ねがいろいろとアレンジする能力をつけてくれたのかも。
日々精進ですね。
では、今回はこれで。
PSクレイルさんのカマベールチーズの写真をどうぞ。
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